小別沢まで走りへろへろになり帰宅。
これはワークマンのネックゲイター。
ワークマンのネックゲイターがなかなか優秀で、
ステッチの色違いのと交互に使っているのですが、
昨日もこれ着用で帰ってきて、
ザックをおろし、ネックゲイターをすぽっと外したそのとき、
左目の上、まぶたに引き裂くような痛みが走った。
思わず「痛い痛い痛いっ」と声がでてしまう鋭い痛さ。
ネックゲイターに枯れ枝かなにか付いていて、
外すときに擦れて傷がついてしまったと咄嗟に思ったのですが、
痛さが半端ないのとリズムというか強弱があり現在進行形で痛みが増幅している。
変だ、これ変、いったいなにが起こっているのだ?
鏡を見てみると。
私裸眼だと相当曖昧にしか見えないのですが、
左まぶたがざっくり裂け真っ赤な肉が覗いている。
目に近いところに黒い粒に手足みたいな、手術の縫合みたいな糸が見えている。
ホラーだ、キングだ、
なにが起こったんだ、私の目。
こんなふうになっていた。
痛みは治まることなく、血は垂れてこないけれど強弱つけて皮膚表面がキリキリ痛む。
落ち着け。
眼鏡だ眼鏡、眼鏡をかけて鏡を再度見てみると。
虫だ!
ダニではない、あの手足はクモか? クモが食い込んでいるのか?
ちがう、コウチュウだ、三角でよく見かける赤いやつ、アカハネムシ?
皮膚が裂けているのではなく虫の胴部分の赤がそう見えていただけだ。
これで一件落着と思わないでください。
大変だったのはこれからで、虫ががっつり噛みついて離れない。離さないというか。
手で引っ張ってみたけれどしっかり噛みついてびくともしないし、
引っ張りすぎてちぎれても嫌だし、
綿棒や眼鏡のつるで揺さぶりはがそうとしてもまったくダメで、
かえって強く噛みついてきて、何度痛い痛いと悲痛な声をだしたことだろう。
虫目線で見てみると、目の前にある私のマスカラコーティングしたまつげが、
ひょっとしたら敵の触覚にみえているのかもしれないし、
それが瞬きするたびに動いて威嚇しているようにみえるのかもしれない。わからないけれど。
向こうも命をかけ闘っているのに違いなく、
ギリギリキリキリ噛みついてくる。決して離そうとしない。離れろって。逃げてくれって。
虫にまぶたを噛まれたまま皮膚科へ行かなければならないのか。
何かいい方法はないだろうか。
殺虫剤も虫除けスプレーもあるけれど顔はまずい。
ライターもまつげや眉毛焼けそうだし。
水はどうだ?
水の勢いと酸欠で放すのではないか。
洗面所の蛇口から水をだし顔をセット。
しばらく耐えたのち顔をあげ鏡をみるとまだ噛みついている。
何度か水攻めをしてみたけれどダメ。
どうすればいい。
洗面台に泡ハンドソープが置いてある。
これはどうだ、文字通りあわわわわと泡食って逃げ出すのではないか?
掌にこんもり泡を盛り、そっとまぶたに虫に押し当て、
ゆさゆさぱふぱふを繰り返し、適当なところで水で流し鏡をみてみると、
いない、まぶたの虫がいない。やったー、とれたー。
あとは虫を逃がしてやりましょうと排水口のゴミ受けを引き上げた瞬間、
虫が動いて排水管へと落ちて行ってしまった。
ナイスファイトな虫だった。
ハンミョウではなかったし、毒はもっていないと思う。ちょっと心配だけど。
消毒しオロナイン軟膏をとりあえず塗る。
拡大鏡でみると皮膚に傷がついているのがわかる。
今朝までしくしくしくしく痛みが残っていたけれど今は何も感じない。
しかしあの虫(アカハネムシかは曖昧)どこにくっついていたんだろ。
まだ草も芽も花もこれからだというのにこんなに早く活動しているのか。
にしては助けられなくて悪いことをしてしまったけれど私も痛くてたまらなかったのだよ。
アリに噛まれたことあるけれどあの痛さに似ている。
よりによってまぶただし。
ダニに噛まれたときは下山したらまず衣服を叩いていたのになぁ。
すっかりそんな習慣なくなってしまっていた。
これを機に復活させよう。