レトロスペース・坂会館に先週行った後、この会館に関する本があるということで、早速読んでみました。
蒐める! レトロスペース・坂会館/北野麦酒
写真集かと思っていたのですが、違いました。
レトロスペースには説明書や解説の類のものがほとんどない思います。
ついつい目はそっち方面にいってしまうのですが、そっち方面以外にも収集物展示品は混沌とした秩序をもって、
混沌とした秩序というのも変ですが、決して乱雑ではないし、整然としているわけでもない。
なんともいえない魅力あふれる空間なのです。
で、展示されている品々は、この両目で見ればわかるのですが、その裏というか経緯というか歴史、
この本を読んで初めて気がついたことも多々あって、
前回、前々回とは少し違った視点で展示されている品々を観られる、いや、観なければ館長に失礼だなと、
今日また出かけてきました。
サクラを眺めながら歩いてゆくと、
坂会館が見えてきます。
元はレストランだったそうで、たしかに窓や入り口(閉鎖されてます)をみると面影がありますし、
外壁にある「RESUレトロスペースSAKA」(レトロスペースの文字は消えかけている)のRESUはひょっとしてスペルは違うけどレストラン?
原石を拾ってきたり、買ってきては切断して磨いたそうです。
入り口のこれは工場で使っていた道具たちだそうな。
で、今日はじっくり見学させていただきました。
ストーブもジンギスカン鍋も全部館長が集め磨いてきたのかと思うと、
それもひとつやふたつじゃないですから、どんだけあるんだって数で、それを考えるとくらっとめまいがしてきそうな感じになります。
本に「ガラス板」のことが書いてあって、これだけの展示物を揺れや衝撃から守るため、
厚いガラス板を敷きバランス・重石としているそうです。
そのガラス板も廃材からとってきたり、ガラス職人さんのもとでカットの仕方を教わり、
館長自ら切ったのだそうで、今日行ったら、本当あるある、いたるところにガラスの板が敷いてあったり、
棚板代わりに使われていたり、シート代わりに展示品を守るように載せてあったり。
中央のお人形のアタマの右横を見ていただくとわかるかと。
人形ケースと同じサイズで厚いガラス板が載せてあります。
このガラス板もすごい枚数で、それを一枚一枚館長が切っていったのかと思うと圧巻です。
館長の想いがつまった空間なんですねー。
このお人形も好きですが、
私はこの見下ろし人形?が一番好きかも。
坂ビスケットマーク入り覆面。
札幌、あるいは北海道以外の人はご存じないかもしれませんが、ここは有名なビスケット屋さんです。
入館料は無料ですが、お礼というかお決まりで奥隣に併設してある売店でビスケットを買って帰ってくるのですが、
このビスケットというのがやめられないとまらない味で、通っているうちに太ってしまいそう。
発見!わかります?右側に注目。どうやら畠山さんのようです。
展示してある品は、前回とは少し違っていた箇所も。
楽しんでもらえるよう展示品を変えているという本の内容と一致。
このウクレレが気になるゾウ(笑)。
サトちゃんと医療機器はまだなんとなくつながりがわかるけど、それにヌードとウクレレが加わると、
変なんだけど全然変に思えない。どんな音するんだろ、このウクレレ。
閉館の話ですが、前回も今回も、レトロスペースとしては続けていくつもりだと、直接聞いたわけではないのですが、
他の来館者に話しているのを横で聞いたので、すぐに閉館するということはなさそうです。
私としては、ビスケットの1袋2袋でこれだけの空間を見せてもらってなんですけれど、
いつまでもここにあって欲しいと思うのですが。
今度はちょっと遅い時間、暗くなり始めた頃に来てみたいな。
仄暗さと照明、あそこのライトは絶対綺麗な柔らかな色だと思うし、昼間とは違った異空間が現れるような気がします。
って、これからの季節だと閉館時間はまだ当分明るいままですね。