午前中に1本投稿を終え今日の任務終了とぼけら~っとしていたら、
なんと(一番厄介な)17ページシリーズ の日じゃった。
不思議ですよね、
地下鉄やバスのなかでは何の本を読んでいるのか他の人に知られるのが恥ずかしくってカバーをかけたり、
もっとそれ以前の行為として読むことすら控えたりするのに、
ここでは何を読んでいるか知られることなんて全然気にならない。何故なんだろ。
姿が見えないからかな。
お、そんなこと言ってる場合ではないんだ。時間が足りなくなる。
ではいつものようにこの10日間に読んだ本の17ページの6行目をアタマから書き写し、
あとは紹介にも感想にもならない雑文です。
ふぉん・しいほるとの娘 上/吉村昭
しかし、オランダ船に対する警戒は解除されず、監視の番船はそのまま周囲に配置さ
ふぉん・しいほるとの娘 下/吉村昭
お稲は、口もとをゆるめた。イシの凝視の意味が、すぐに察しられた。イシの視線は、
朝井まかてさんの「先生のお庭番」がなかなか面白かったので、吉村昭氏の上下本を読んでみた。
吉村さん読むの何年ぶりなんだろう。この淡々とした書き方は読んでいて落ち着きます。が、漢字多い。
タイトルでもわかるようにシーボルトの娘お稲が主人公となっていて、
まかてさんの本ではシーボルトが日本を去るまでとその後を数ページだったけど、
この本ではその30年後の日本再来日、それからのことも書いてあり、
やっと感動の再会かと思いきや、
いやぁ、シーボルトってそんな年になっても、
自分の妻(というかお滝さん)と娘(お稲)と孫(タダ)が入るにもかかわらず、
お手伝いの娘17歳を妊娠させ、さらにあとから入ったお手伝いさんにも手を出すという、
これは娘の立場からしたらハレンチなんてものではなく頭にくるし失望するし許せないよな。
石井宗謙も大バカ野郎だし。
幕末の、鎖国から開国へと復習しながら読んでいたのに、
シーボルトのお盛んぶりになんだかもう吹っ飛んでしまいました。
終生ヒトのオスは飼わず/米原万理
ゼリー寄せみたいにビクとも
浩一君の話が馬鹿ウケだったの米原さんの本をもう一冊読んでみた。
今回はパンツではなく犬&猫の話だったけど、
後半になるにつれ私はそこまで出来ないなというか、そこまでしてしまう米原さんに距離感が。
ゲンちゃん逃亡をうっかりミスで防げなかった心の傷なのか、
ご近所には自分が謝ってあるけばいいとはいっても、
朝から晩まで何日も何日も吠え続けられたら、ご近所さんも身が持たないしストレス漬けになる。
じゃあどうすればいい、となると、私はやはり飼うだけの心構え足りないから飼わないほうがいいんだな。
100万分の1回のねこ/江國香織・岩瀬成子・くどうなおこ・井上荒野・角田光代・町田康・今江祥智・椎野未歩子・山田詠美・綿矢りさ・川上弘美・広瀬弦・谷川俊太郎
「もう、くたくたよ」
100万年も しなない ねこが いました。
100万回も しんで、100万回も 生きたのです。
りっぱな とらねこでした。
佐野洋子さんの有名な「100万回生きたねこ」の出だし部分です。
そしてこれが私の持っている「100万回いきたねこ」。
昭和56年となっていて、かなり日焼けしている。
その「100万回生きたねこ」に捧げるトリビュート短篇集で、
特に町田さん、川上弘美さん、谷川俊太郎さんのを読みたくて借りてみたら。
さすがというか驚きの町田さん、町田さんも何匹もの猫と暮らしていて、そのほとんどが保護猫で、
猫シリーズのエッセイなんて何度も読み返すほど胸にくるものがあり、
かなりの期待を持って町田さんの短篇を読んだのですが、
あれ? 間違いじゃないよね、猫がどこにもでてこない。100万円ならでてくるけど。
さすが町田さんだ、やられた。
川上弘美さんはというと、「東京日記」を読んでいる方ならピンとくるはず。
これはあれですな、ゲーム、おそらくドラクエだ(笑)。
さすが川上さん、ゲームも小説のネタにしているぞ。
そして谷川俊太郎さん。
佐野洋子さんと過去に婚姻関係にあり、亡くなった元妻の「愛」をどう表現するのか。
そっけないようで、実はものすごく深いことをさらっと書いていらっしゃる。
なんとも余韻がすごい。さすが元夫婦。
とりつくしま/東直子
いないほうがいいんです。長くいすぎると、あとできっと、すごく辛くなると思うんで
「マナーの正体」でのエッセイが面白かったので短編集を読んでみたけれど、
多方面から物事を見る視野感覚は好きだけど、やっぱりお題が反則かな(笑)。
自分が死んだあとなにかに「とりつく」としたら、それも非生命体、生きているものはダメ。
ちょっと真面目に考えてしまった。どうする? 私が今死んだら何にとりつくだろう。
娘のカエルか? 怖いだろうな、深夜にパソコンいじってましたってね。
蘇る伊藤計劃
河はその出できたれる處に復還りゆくなり
これもトリビュート本になるのかな。伊藤計劃さんの短篇もおさめられてはいるけれど、
闘病中の日記が一番シンプルで一番強く心に残った。
伊藤さん意外の部分はほぼ流し読みでした。
以上、顔が痒くて困る、204回目でした。